2016年4月13日水曜日

100万年の鼓動

地殻変動を研究する時に「100万年」を一つの単位として扱っています.いわゆる地質学的な時間スケールと呼ばれる時間スケールです.

100万年というと途方もない長い年月ですが,プレートの沈み込みの方向が変化する/変化しない,の最小の単位がおおよそ100万年と考えられています(これより短い時間でプレート沈み込み方向が変化した記録がないためです).
日本列島周辺のプレート(http://www.jishin.go.jp/main/nihonjishin/2010/zenkoku.pdfより引用) 

日本列島の周辺にはいくつものプレートで形成されていて,大きく二つのプレート(太平洋プレートとフィリピン海プレート)が日本列島の下に沈み込んでいます.この沈み込みによって発生する力が様々な地殻変動(例えば,地震)を引き起こすと考えられています.1946年南海地震や2011年東北地方太平洋沖地震のような海溝型地震の繰り返しが数百年〜数千年,2004年新潟県中越地震や1995年兵庫県南部地震のような内陸地震の繰り返しが数千年〜1万年程度です.このような地殻変動に対して100万年単位で考えるというのは一つのモノの捉え方になると考えています.それは,目の前の起こっている自然現象を長い時間の物差し(長い地球の営み)で考えようということです.

プレートが進む速度はだいたい年間1〜10センチメートルで,これはだいたい人間の爪が伸びる速度(1日あたり0.1ミリメートル,http://www.catwalkmodelspain.com/nail/kiso06.phpより引用)と同程度です.


そう思うと,想像もできない長い時間の中で起こっている地殻変動が少しは身近に感じませんか??? 

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