2016年5月19日木曜日

日本列島地質構造の東西境界

先日は茨城-福島県境付近の棚倉構造線での野外調査でした,その時の露頭写真です.


棚倉構造線は茨城県北部から新潟県付近を通る日本を代表する大断層で,地質学的には東西日本の境界はこの棚倉構造線とされています(下の図は大鹿村中央構造線博物館HPより引用).



そのため,この構造線を境に岩石が異なっていて,南向きを見ているこの露頭写真,左側(東側)の白っぽい地層が阿武隈花崗岩で東北日本の岩石,右側(西側)の深い青色の地層が八溝山地を形成する中生代の地層由来の堆積岩で西南日本の岩石です.

両者の地層の間の真っ黒の部分,棚倉構造線の中心部ですが,これは棚倉構造線が断層運動した際に断層面沿いにグラファイト(石墨)が濃集したもので,グラファイトは断層を滑りやすくする潤滑剤になると考えられています.

2016年5月14日土曜日

2016年熊本地震(調査速報)

産総研では,2016年4月19日〜5月3日に日奈久断層帯及び布田川断層帯に沿って地表地震断層調査を広域的に行い,その中間取りまとめとして報告しています.

「第四報」 緊急現地調査報告 [掲載:2016年5月13日]

2016年5月12日木曜日

「県の石」発表

日本地質学会では,全国47都道府県それぞれに特徴的に産出する,あるいは発見された岩石・鉱物・化石をそれぞれの「県の石」として選定しました.

「県の石」の一覧
http://www.geosociety.jp/name/content0144.html

「県の石」の詳細
http://www.geosociety.jp/name/content0150.html

皆さんがお住まいの場所の「県の石」を探してみてください.住んでいる土地の地質に触れるいい機会だと思います.

2016年5月11日水曜日

地質の日

5/10は地質の日でした.

明治11(1878)年のこの日に地質の調査を扱う組織(内務省地理局地質課,今の産総研地質分野:地質調査総合センターの前身)が定められた日です.

日本地質学会では「日本の地質構造100選(朝倉書店)」を出版し,全国にある特徴的な地質構造を100選びカラー写真を交えて解説しています.

各地の地質構造は見学のためのアクセスマップ付きなので,意外と身近に日本列島形成の跡を見ることが出来るかもしれません.

日本の地質構造100選(朝倉書店)


2016年4月26日火曜日

自然災害が起こった時の心がけ

地震に限らず自然災害が起こった時に心がけたいこと二つ,,,
①事実と解釈の区別
大災害時には色々と情報が飛び回りますが,「事実」と「解釈」は区別して情報を見るように心がけたいですね.○○と考えられる...という情報は「解釈」なので,未確定なことが多く,その後の「事実」で変わることがあります.
②情報の出どころの確認
情報には出典先(情報の出所)がはっきりしているか否かを確認することを心がけたいですね.可能であれば情報元の一次情報を確認したいですね.多方面から多くの情報に触れることができる昨今,自分なりの基準(例えば,出典先の記述があるか否か)をもって情報の取捨選択の判断はしっかりと.情報を周りに伝える際も出典先を合わせて伝えたいですね.

2016年4月15日金曜日

2016年熊本地震

2016 年4月14日21時26分頃,熊本県熊本地方を震源としたマグニチュード6.5(気象庁暫定値)の地震(熊本地震)が発生しました.

産総研地質調査総合センターでは, ウェブサイトを通じて本地震に関する研究情報を発信していきます.

平成28年(2016年)4月14日に発生した熊本地方の地震の関連情報
https://www.gsj.jp/hazards/earthquake/kumamoto2016/index.html

2016年4月13日水曜日

100万年の鼓動

地殻変動を研究する時に「100万年」を一つの単位として扱っています.いわゆる地質学的な時間スケールと呼ばれる時間スケールです.

100万年というと途方もない長い年月ですが,プレートの沈み込みの方向が変化する/変化しない,の最小の単位がおおよそ100万年と考えられています(これより短い時間でプレート沈み込み方向が変化した記録がないためです).
日本列島周辺のプレート(http://www.jishin.go.jp/main/nihonjishin/2010/zenkoku.pdfより引用) 

日本列島の周辺にはいくつものプレートで形成されていて,大きく二つのプレート(太平洋プレートとフィリピン海プレート)が日本列島の下に沈み込んでいます.この沈み込みによって発生する力が様々な地殻変動(例えば,地震)を引き起こすと考えられています.1946年南海地震や2011年東北地方太平洋沖地震のような海溝型地震の繰り返しが数百年〜数千年,2004年新潟県中越地震や1995年兵庫県南部地震のような内陸地震の繰り返しが数千年〜1万年程度です.このような地殻変動に対して100万年単位で考えるというのは一つのモノの捉え方になると考えています.それは,目の前の起こっている自然現象を長い時間の物差し(長い地球の営み)で考えようということです.

プレートが進む速度はだいたい年間1〜10センチメートルで,これはだいたい人間の爪が伸びる速度(1日あたり0.1ミリメートル,http://www.catwalkmodelspain.com/nail/kiso06.phpより引用)と同程度です.


そう思うと,想像もできない長い時間の中で起こっている地殻変動が少しは身近に感じませんか???